猿の惑星:創世記(ジェネシス)

2011年10月22日 TOHOシネマズで。
おそらく10年以上前に第一作だけは鑑賞した。しかし内容全然覚えてないっす。というスタンス。

活劇としての面白さは抜群であっという間。そしてCGの技術はもう違和感が殆ど無いくらいだ。ただ冒頭の赤ちゃんシーザーが全然可愛くないの。やっぱり生身の動物の赤ちゃんのもつカワイさはなかなか出せないんだね。あれがCGで出せるようになったらCGはひとまず実写を凌駕する可能性を示せると思う。

しかしこの映画、猿の側に立っているようで結局は人間の立場から猿を見下してるんじゃないかなと思えて仕方なかった。
その端的な表現はシーザーが人間語を喋った、ということ。猿の側からしたら人間語をしゃべることはある意味人間に与することになるのではないかな?それよりは猿同士のコミュニケーションツールとしての猿語を醸成させるべきだったのではない?
同じ「猿」でも種によってコミュニティを形成するかどうかは違うわけだけど、その種を越えてまでいきなりコミュニティを形成し、リーダーを選定し、一定のルールを策定してしまうってのはすごいな。
あと、あそこまで利他的な行動がとれて、ほとんどが「止めを刺す」ことはせずに「やっつける」に終始している。猿が明確に人を殺したのはあきらかに「悪く」描かれているふたりだけだ。しかもひとりは死んだかどうかはわからない。仲間をこっぴどくやられて尊厳を傷つけた憎き相手に対してあそこまで理性的でいられるのだろうか?ちょっといきなり猿を成長させすぎてて、そのへんで感情移入できなかったな。

猿たちが人間社会に立脚しない形で文化を形成していたら、たまらないカタルシスがあったと思う。しかしそれは酷かな?話がかなり難解になるだろうし、そもそも文化というのは互いに影響のしあうものだから。人間社会の文化をも利用した猿側の勝ち。ということでしょうか。それならば納得かな。

ウィル(ジェームズ・フランコ)はホントどうしようもないやつ。彼の利己的な行動がもたらすであろうパンデミックを示唆するラストは良かったっす。