女子大生会計士の事件簿

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)で一躍脚光を浴びた山田真哉さんの著作。1〜4まで読了。
氏は「お金の話」を日常の言葉で語るのがとても上手で、その姿勢がとても誠実だと感じる。

本作は「お話」の体をとっているため、より感情移入がしやすく本の世界に没頭しやすくなっていると思う。展開が都合良いなと思うことしばしばだけど、この小説の目的は「会計士ってこんな仕事なんだよ」ということを楽しく伝えることだろうから、ご都合主義的な展開は気にならないし気にしてもしようがない。むしろ話が分かりやすくて変なところでつまづかないのがいい感じ。
かなり昔の話になるけれど、"簿記2,3級を独学で同時に3週間で受かる方法" がブクマを集めたとき、触発されて簿記の2,3級を勉強した。実際のところ3週間とはいかなかったが、6週間くらいの勉強でなんとか2,3級とも合格した。
ゲーテは著書の中の登場人物に複式簿記について「人間の精神が発見した最も美しいもののひとつである。」と語らせたという。勉強してみるとなるほどと膝を打った覚えがある。エネルギー保存の法則のようだなと。ある系においてエネルギーの総和は不変だというあれ。
見事に設計された仕組みというのは美しい。つまるところ美しくないところとは問題が潜在しているところ。本作の登場人物たちも、一見それように体をなしている数字の羅列に潜むほころびを端緒にして問題を解決へと導く。コンピュータプログラムのソースコードもそんな感じかな。美しくないものはやはり具合が悪い。

なかなか達成できないのだけれど、やはり数字に対しての理解度を高める必要があるなと感じた。読了した時点では「10万円以上は資産として云々」のところしか具体的には身についてないのだが、いやはや。


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