カールじいさんの空飛ぶ家

1/1にDVDで鑑賞。今年こそいろんなもの捨てよう!そう思いました。


無口な少年カールとおてんば少女エリーの出会い〜やがて結婚し彩り豊かに始まる二人の生活。深い悲しみを経て、よりお互いをいたわり合いながらの穏やかな暮らし。そして妻エリーの死。
このくだりのサイレントストーリーは涙もの。
カルメンの曲がバックに流れるなか、寄る辺を失ったカールじいさんが車椅子に乗って電動昇降機で階段をくだってくるところは笑えました。この笑いがただただ美化された思い出の中から不条理な現実へと素直に誘ってくれるようでよかったです。あとラッセルくん登場時のシークエンスもよかったなぁ。ラッセルくんかわいい。


家が飛んでからのわりとあっさりと南アメリカまで到着しちゃうところは拍子抜け。
また、カールじいさんが片手で自分の身体を支えられるくらいの身体能力を身につけちゃってる段は「だったらホースをたどって家まで登れたんじゃね?」と思わせてくれました。
あこがれのマンツがマッドサイエンティストよろしく悪辣な様相になっていることに対するカールじいさんの内面を深く掘り下げた描写がほしかったな。なにかそれを示唆するところがあったかな?


エリーとの思い出の家財を捨て、新たな目標を見出して立ち上がるさまは感動的でした。物質的なモノに思い出の拠り所を見出すのはセンチメンタリズムでしかないんだなと改めて実感。捨てがたいモノも「ありがとう」って言って捨てることが大事だなと。その意味では年明け一発目に見ることに意味はあったのかも。

終始画面を構成する色調が観ている人間の心の持ちようを先導してくれているようで安心して身を委ねられました。
おしなべてとても面白い映画でした。


そうそう、DVDに一緒に入っている短編『晴れ ときどき くもり』も秀逸!かなり面白かったです。


カールじいさんの空飛ぶ家 [DVD]
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