ヒア アフター

3/6に大垣コロナシネマワールドにて鑑賞。話としては難しくないし没入できなくもないんだけど途中ウトウトしてしまった。


冒頭の津波のシーンはよかった。マリー(セシール・ドゥ・フランス)がアップアップしてるシーンはCGモロ分かりだったけどトータルとしてのリアリティにゾッとした。
そして料理教室がもうね、素敵。目隠しして食材当てクイズするシーケンスはエロさ半端ないね。メラニーブライス・ダラス・ハワード)のしっとりした唇と吐息や咀嚼するときの音の粒が相まって妖艶さ全開だった。あのシーンのために大きくて魅力的な口をしているブライス・ダラス・ハワードをキャスティングしたんじゃないかな?
んで、三人が出会うまでの経緯は無理がなくて見事。ジョージ(マット・デイモン)のディケンズ好きがここで活きてくるのかー、とかいちいち感心した。やっぱマーカスくんの長距離移動は難しいもんね、ロンドンが集結点というのは当然の帰結でしょう。
マーカス君絡みの話はすべて納得がいくしいい話だなぁ、という印象。兄ちゃんがマーカスを地下鉄テロから守ったシーンや死んだ兄ちゃんが「もう行かなきゃいけない」と言ってからのおそらくジョージがついた優しい嘘のあたり、面会室へ向かうマーカスくんの姿はとても感動的だった。


一瞬会っただけでジョージとマリーは恋に落ちるの?ジョージにはマリーの情報が入っているのでわからないでもないがマリーにとってはジョージは'one of them'でしかないのではないのだろうか?マリーのブックフェアでのジョージを意識したような仕草には違和感を感じたな。あと、最後のキスはなに?ジョージの妄想なのだろうけど、美しいというよりは陳腐な印象。
メラニーと結局うまくいかなかった、そしてジョージは今までもこんなことを繰り返してきただなというのは腹に落ちた。やはり知りすぎて良いことはないんだな、と。で、マリーとはきっとうまくいくことが想像されるわけだけど、ジョージとマリーはとてもお互いをよく「知る」ことになるんだろう。…あれ?「知りすぎるとよくない」んじゃないの?「知りすぎてよくなくなる」関係っていうのはそもそも縁がなかったってことなの?これは映画よ良し悪しとは関係ないのだけど、ふとそんなことを思ってしまった。


最後は三様に自らの苦々しい死に関する体験に落とし前をつけ未来に、それこそ来世に向かっていくのだろうな、という予感は感じさせたけど、やはりジョージとマリーのもう一顛末がないとカタルシスは得られないなぁ。